武将・奈良井義高PRへ 塩尻・ならかわ桜プロジェクト パンフレット作製・案内看板も

塩尻市楢川地区の住民組織「ならかわ桜プロジェクト」(NSP)が、戦国時代に奈良井を治めた奈良井義高と、奈良井宿の背後に残る奈良井氏居館跡をPRする活動を進めている。地元でも話題に上る機会が少ない存在だったが、光を当てることで奈良井の新たな地域資源にしようと、パンフレットを作製し、案内看板を設置した。
戦国時代の奈良井を記録した資料は乏しく諸説あるが、奈良井氏は現在の楢川一帯に力を持つ国衆だったとされる。義高は武田氏が木曽に侵攻すると、武田氏とその配下となった木曽氏に臣従。武田氏滅亡後は小笠原氏に内通し、最後は木曽氏に成敗された。奈良井氏居館跡は、中山道を監視できる奈良井宿背後の高台にあり、主郭の北側に深い堀が残る。
居館跡は奈良井宿から歩いて10分ほど。近くには奈良井義高の墓といった関連スポットもあるが、宿場から奥まった場所にあるため訪れる観光客は少なかった。そのため、NSPは市の地域活性化プラットフォーム事業補助金186万円を得て、宿場から居館跡までのルートに11基の案内看板を整備し、パンフレットを作製して観光案内所などに置いた。
今後はパンフレットを生かして宿場や居館跡を巡る周遊ルートのPRに努める。観光客により長く奈良井に滞在してもらうことを目指す。NSPの酒井慶太郎代表は「奈良井のルーツとして義高と居館跡を大切にしていきたい。訪れる人にも宿場から一本奥に入ることで違った魅力があることを知ってもらえたら」と話している。