モーツァルト愛用のバイオリンが松本へ 市立博物館で22日公開

モーツァルト(1756~91)が実際に使用したバイオリンが22日、松本市大手3の市立博物館に展示される。大阪・関西万博(4月13日~10月13日)のオーストリアパビリオンに出展するため、来日した楽器だ。博物館1階入り口付近にショーケースを設け、午後2~5時まで3時間限定で公開される。
モーツァルトは生涯二つのバイオリンを所有し、交互に使用していた。展示するバイオリンは、幼少期から弾いていた「コスタバイオリン」で、ウィーン滞在中の演奏活動に使われた。国際モーツアルテウム財団が所有し、博物館での展示だけでなく、現在もコンサートで使用される。
松本市内に拠点を持つ企業43社でつくる「まつもとユニバーサルデザイン研究会」が、モーツァルトが生まれ育ったオーストリアのザルツブルクと、音楽が盛んな楽都・松本との交流を模索する中で実現した。大阪・関西万博に合わせて来日したザルツブルク合唱団の松本公演(実行委員会主催)を21日に開き、関連企画としてバイオリンを飾る。
まつもとユニバーサルデザイン研究会の会長を務める和合治久さん(75)=松本市元町2=は理学博士で音楽療法の分野で活躍し、モーツァルトの研究者としても知られる。和合さんは「モーツァルトが手に触れた文化的な遺産を直接見ることができる奇跡的な機会」とし、「これを機会に松本市とザルツブルクがともに音楽の街として交流に発展することを期待したい」と話していた。