政治・経済

山形・複合施設の機能連携目指す 基本計画案今月中旬提出へ

複合施設の建設候補地となっている屋外テニスコート

 山形村の生涯学習や住民交流の拠点となる新たな複合施設の検討を進める村複合施設整備推進委員会が今秋、施設の基本計画案をまとめた。柱となる「ミュージアム」「図書館」「子どもの居場所・住民交流の場所」の三つの機能で重視する具体的内容や、事業展開の方向性を盛り込んだ。今月中旬に本庄利昭村長へ提出する。

 建設候補地となっている屋外テニスコートの敷地3444平方メートルに、延べ床面積2000平方メートル程度の建物を想定。各機能の利点がうまく融合・連携することを目指し、施設全体の方針には▽壁をできるだけ設けず互いの活動が見えるように▽既存の公共施設との動線を考慮した配置▽隣接する屋外広場と一体的に利用できる―などを掲げた。
 読書や学習に集中できる静かなスペースと、遊びや会話ができるにぎわいのあるスペースが共存する空間の創出を目指し、共存を実現するためには2階建て以上の階数が必要とした。図書館の蔵書数や文化活動を現在よりも増やし、子供から大人まで気軽に利用できるフリースペース機能も充実させる。ミュージアムは、旧ふるさと伝承館の保管資料の引き継ぎや多彩な企画の展開を目指す。
 工事費はおおむね15億円で、国などの助成事業の活用を検討する。令和8年度中のオープンを目指す。
 委員会での検討に加え、本年度は住民参加のワークショップを全4回行い、構想を具体化してきた。委員会事務局の村教育委員会は「多くの村民に関心を寄せてもらえたら」としている。