2025.5.18 みすず野
現在は東京に住む、中学校時代の同級生が毎年、松本マラソンに出場するのを楽しみにしている。ところが今年は中止に。報道で事態を知った彼は、がっくり肩を落とした。大会に向け、日々トレーニングを続けていることを知るだけに、かける言葉が見つからなかった◆楽しみにしている理由は単純に走ることだけでない。毎年、コースの各所に立って声援を送る、元同級生たちとの再会が醍醐味なのだ。元同級生と会うごとに足を止め、まるでゴールしたかのように喜び合う。郷里のマラソン大会は、走破タイムより旧交を温めることに重きを置いていた◆5月の大型連休に帰郷した彼の行動が、涙ぐましいものだった。松本マラソンのロゴ入りTシャツを着て、ランニングで松本市役所まで行き、大会の早期復活を願って手を合わせた。その後、大会のスポンサー企業の社屋前までランニングし、再び手を合わせた◆形はそれぞれでも同様に仲間と毎年の松本マラソンを楽しみにしている方も大勢いるだろう。そう考えると、中止はなんとも罪深い。不正を徹底的に検証し、二度とこのような事態が起きないシステムの構築を求めたい。