県工芸美術展、節目の15回 素材生かして多彩な表現

第15回県工芸美術展(県工芸美術会主催)が6日、松本市美術館で始まった。最高賞の十五回展記念賞は松本市宮渕の山本理恵さん(45)の陶芸作品「彩土線紋花器」が選ばれた。市民タイムス賞は安曇野市穂高有明の小松恒美さん(70)の竹工芸「働き クロオオアリ」に決まった。10日まで。
人形、陶芸、木彫、染色など前年並みの106点が並んだ。公募に対し松本、伊那、駒ケ根の各市などから出品があった。県工芸美術会の小穴敬三会長(80)は「素材を生かした特色ある作品が多い」と特徴を話した。
節目に合わせて十五回展記念賞が設けられた。受賞作は線を何本も刻み、できた三角形を青とピンクに着色。白の線と点線も交えて模様とした。「斬新なデザイン」との評価を受けた。作者の山本さんは結果を喜び「人のまねにならない、自分の思う作品ができれば」と今後に意欲を見せた。
市民タイムス賞の小松さんは草むらで活動するクロオオアリを緻密に表現。「地道にやっていて良かった。今後も花や草、昆虫を合わせて自分なりのものを作りたい」と話した。
県工芸美術会名誉会長の木村万岳さん=松本市=の陶芸作品も特別展示している。午前9時~午後5時(最終日は3時)。入場無料。
中信地区関係の入賞者は次の皆さん。
▽十五回展記念賞=山本理恵(陶芸、松本市)▽県教育委員会賞=下坂真由美(陶芸、松本市)▽中日新聞社賞=小池春隆(木彫、松本市)▽市民タイムス賞=小松恒美(竹工芸、安曇野市)▽松本芸術文化協会賞=小幡芳久(木工芸、松本市)▽松本市長賞=大輪富美子(人形、松本市)▽奨励賞=赤廣まり子(マクラメ、松本市)福田武正(漆器、木曽町)▽会員賞=小松宏江(裂織、松本市)