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災害時にはラジオで情報収集 信大で小学生防災教室

組み立てたラジオから流れる音声を聞く子供たち

 災害時に逃げ遅れないためのノウハウを学ぶ子供向けの防災教室が30日、松本市旭3の信州大学松本キャンパスで開かれた。同大の工学部、地域防災減災センターの主催で、小学生約30人が水害時のマイ・タイムライン(避難計画)の作り方を学んだほか、情報収集に役立つラジオの工作を体験した。

 参加者はまず、同大工学部の吉谷純一教授から「きっと大丈夫」「他人と同じ行動を取ろう」という心理が災害時にマイナスに働き、避難が遅れる危険性があることを教わった上で、情報収集や事前の避難計画作りの必要性を学んだ。
 ラジオの工作では、アンテナとなるコイルを巻いたり、電源ランプなどの部品を回路基板にはんだごてで接着したりした。完成後にラジオ電波を拾うと子供たちは顔をほころばせ、四賀小学校5年の佐藤駿多君(10)は「頑張ったかいがあった。家に帰ってラジオの音楽やニュースを聞きたい」と話していた。
 避難計画の作成では、女鳥羽川沿いに自宅があると想定し、川が氾濫した場合の浸水の深さや避難場所などを調べ、避難行動の手順を考えた。地域防災減災センターの神田孝文特任助教は「子供の声掛けで大人が行動することもある。家族で防災・減災について考えてほしい」と話していた。