政治・経済

松本市議選 上位に若手 独自戦術浸透

 23日投開票の松本市議会議員選挙(定数31)は、上位当選者10人のうち4人が新人、50代以下が8人と、世代交代への期待を印象付ける結果となった。選挙カーを使わないなど旧来とは異なる戦い方で上位に入った若手が複数いる一方、人口が少ない中山間地などの候補は投票率低下もあり苦戦を強いられた。

 トップ当選した新人の菊地徹さん(36)=中山=は事務所開きや出陣式をしなかった。自転車で遊説し、対話形式のミニ集会をオンライン配信するなど独自の選挙戦を展開。地域地盤を持つ候補を押しのけての最上位当選は、驚きを持って受け止められた。
 はがきを使った後援会加入申し込みの減少に苦しむ陣営が多い中で、インターネットを積極的に活用した候補が上位に多い。菊地さんもその一人で「積極的に投票する先がない有権者の受け皿にもなったのではないか」と話した。
 市街地に比べて中山間地の候補は苦戦した。投票率が前回選より13ポイント以上低い56・43%だった安曇地区の1期目現職は、得票数を前回選から4割減らし落選。統一地方選前半の県議選松本市・東筑摩郡区でも朝日村の重鎮現職が落選しており、人口減少と投票率低下の両面への対応を強いられている。
 党派別にみると、共産が1人減の3人となる一方、日本維新の会は新人の西澤郁弥さん(29)=蟻ケ崎5=が前回選の雪辱を果たし初議席を獲得した。同党県総支部の手塚大輔代表は、県議選の余勢を駆ったとし「地元で結果を初めて出せた。次の段階に進む足がかりができた」と確かな手応えを得た。
 今後は会派構成の行方に焦点が移る。新会派の結成も予想され、5月中旬の臨時会で行われる議長選などの議会人事も見据え、議員同士水面下での綱引きが行われる。