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糀の花 みそ玉包む 木曽町福島・小池糀店 伝統の製法

じっくりと発酵が進み、ふんわりとした「糀の花」がみそ玉を包み込んでいる

 木曽町福島の小池糀店で、昔ながらの知恵が息づく伝統の「みそ玉造り」が進む。蒸した大豆をつぶして丸め、室で寝かせて1~2週間もすると、綿毛のような〝糀の花〟が包みこむ。時をかけ、職人の手でじっくり育まれるその味は、受け継がれた技と誇りの結晶だ。

 みそ玉に糀の花を咲かせるまでは第1段階。ゆるやかに発酵が進み、奥深い味わいが引き出されたみそ玉を砕き、塩と糀を加えて混ぜ、樽に仕込んで再び熟成させる。
 明治12(1879)年の創業から140年余り、手間を惜しまない伝統の製法を守り続ける。工場長の唐沢裕之さん(52)は、みその仕込みを子供の成長になぞらえ「発酵の進み方は天候によっても変わるが、こちら(親)の都合を押し付けては、昔ながらの蔵独特の風味は守れない」と語る。
 みそ造りは4月に始まり、6月中旬まで続く。