地域の話題

伝統の熟練技に触れる 南木曽町で「蘭桧笠」「ろくろ細工」工芸街道祭り

職人が技術を披露する蘭桧笠の主会場

 南木曽町の伝統工芸品「蘭桧笠」と「南木曽ろくろ細工」の魅力を伝える恒例の工芸街道祭りが4日、両産地を通る国道256号沿いで2日間の日程で始まった。紅葉に染まる南木曽の山あいを大勢が訪れ、伝統の技術に気軽に触れている。

 蘭桧笠は県指定伝統的工芸品で、ヒノキを細長い短冊状にした「ひで」を編み込んで作る。生産・販売の拠点となる桧笠の家では、職人による製作実演が随時あり来場者は熟練の手さばきに見入った。蘭桧笠生産協同組合の尾崎善太郎理事長(79)は「軽さや耐久性などヒノキ材ならではの特長がある。良さを知ってもらい、伝統をつなぎたい」と話す。
 国指定伝統的工芸品の南木曽ろくろ細工は、木材をろくろで回し刃物を当てて削り出す。祭りでは対象店舗を巡るスタンプラリー企画を催す。参加3店舗のうち1店舗で買い物をすれば他でもスタンプがもらえて抽選でろくろ細工などが当たる。南木曽ろくろ工芸協同組合の小椋一男理事長(67)は「産地全体が元気であることが伝統継承に不可欠。祭りを通し盛り上げていければ」と力を込めた。
 5日は午前9時~午後5時で開き、会場周辺には飲食の出店もある。町観光協会のホームページでも確認できる。