乗鞍岳ゆっくり秋色 紅葉始まる

松本市安曇の乗鞍岳(3026メートル)で、紅葉が色づき始めた。山頂部の畳平(2702メートル、岐阜県高山市)へ向かうシャトルバスの終点が近づくと、黄色いダケカンバが一面に広がる中、ナナカマドの赤が緑のハイマツに映えていた。乗鞍観光案内所によると、紅葉の始まりは例年より1週間ほど遅い。
朝から快晴となった29日は、北アルプスや八ケ岳など周囲の山が望めた。肩の小屋口バス停近くでカメラを向けていた松本市笹部の赤羽可行さん(74)は「槍(槍ケ岳)も穂高(穂高連峰)もくっきり。こんな日は珍しいのではないか」と満足そうだった。
乗鞍岳の紅葉は、1000メートル以上の標高差を約1カ月かけて乗鞍高原へと下っていく。案内所の赤穂武美さん(75)は「これからはいつ来ても、どこかで紅葉前線とすれ違う」と話していた。