政治・経済

伸びろ子供の主体性 「まつもと学びの日」全教職員が研修

意見交換する教職員たち(市教育文化センター)

 松本市教育委員会は26日、松本市の学校教育に関わる全ての教職員を対象とした研修「まつもと学びの日」を初開催した。令和4年に策定した市教育大綱では「子どもが主人公」の教育を掲げており、市内全48校(組合立鉢盛中学校含む)約1750人の教職員が市の教育基本方針を確認した。主会場の市教育文化センター(里山辺)では伊佐治裕子教育長の講話があり、学問が盛んな学都・松本が築かれた歴史的な背景を踏まえた上で子供の主体性を重視した新たな教育施策への協力を求めた。

 主会場と各会場の全小中学校をオンラインで結んだ。主会場では市が本年度に導入した課題解決型学習「リーディングスクール事業」にアドバイザーとして関わる上智大学人間科学部教授の奈須正裕さんが「対話で深める子どもが主人公の想い」と題して講演した。情報技術の発達で従来の知識のみを教える教育の価値が低下したとし、自ら考え行動を起こすことができる「自立した学習者」を育てる必要性を説いた。
 講演の内容について教職員が意見を交わす時間があり、出席者が活発に議論した。鉢盛中学校の望月正樹教諭(34)は「先生は教える者という固定観念があったが、子供が意欲的に学ぶ環境づくりをサポートするという新たな発見があった」と感想を述べた。
 令和3年4月に松本市が中核市に移行し、教職員研修を独自に開催する権限が県から移譲されたことを受けて初開催した。今年2月には市独自の教職員研修計画が策定されている。市教育政策課教育研修センター長の大久保和彦さんは「松本市の全教職員と教育方針を共有できたことは大きな一歩になった。今後、年1回のペースで開催していきたい」と話していた。