政治・経済

猿害対策の隊員募集へ 安曇野市が新年度 追い払いや電気柵管理

西山山麓で農作物などに被害を出しているニホンザル

 安曇野市は新年度、人里に出没するニホンザルの追い払いなどに取り組む「鳥獣被害対策実施隊」の隊員を、一般の市民から募集する計画を進めている。ハンターだけでなく、広く市民の協力を得て猿害対策を進める。被害の大きい穂高地域のほか、三郷地域から堀金地域にかけて整備されている侵入防止の電気柵の点検・保守も活動内容に加える方針だ。

 市議会3月定例会の一般質問で、臼井泰彦氏の質問に赤澤哲也農林部長が答えた。
 市は3月定例会に提出している新年度一般会計当初予算案に、隊員たちの報酬として630万円、雌ザルにGPS(衛星利用測位システム)発信器を装着するための事業費として600万円を計上している。GPSの首輪を付けたサルを現在の3頭から11頭まで増やす。サルの位置情報はスマートフォンなどで確認でき、効果的な追い払いにつなげる。
 隊員は市長が任命し、報酬は半日で3500円を想定している。野生動物全般の被害を防いでいる広域電気柵の保守も任務に加えることで、管理を担う地元区の関係者が隊員となれば報酬をもらうこともできる。
 昨年度のニホンザルによる市内の農作物被害は約120万円で、網戸を開けて民家に侵入したり、人の姿を見ても逃げずに威嚇したりするサルもいる。赤澤部長は「サル被害の少ない住環境を目指して対策を行っていく」と述べた。