政治・経済

麻績・市野川浄水場に臭気除去棟新設

市野川浄水場に新たに設けられた臭気除去棟。藻の臭いを解消する

 麻績村はこのほど、市野川にある村上水道施設・市野川浄水場に、「臭気除去棟」を新設した。近年、村民から「生臭い」などの苦情が寄せられていた水道水から臭いを取り除く装置で、村全世帯1051世帯(2452人)のうち、役場周辺を含む63%(約620世帯・約1650人)に供給している水道水から不快感を解消する。

 村振興課上下水道室によると、粒状のヤシ殻活性炭を使ったろ過装置で、臭いを強力に吸着する。処理能力は1日当たり約600立方メートルで、工事費は約1億8060万円となる。
 市野川浄水場は聖山の山腹に設けられた北山ダム(標高約1000メートル)から流れ出る宮川から取水している。これまでも、ろ過・殺菌を行い飲み水として十分に安全な水質を確保できていたが、季節の変わり目になるとダム湖の水が対流し水底にある珪藻類特有の臭いが強く感じられることがあり、国庫補助事業として対策した。
 昨年5月から工事を進め、今月19日に完成を確認し供用を開始した。上下水道室は「水道水の不快感が解消されることで、より安心して水を利用してもらえれば」としている。