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加藤壽々子の功績に焦点 安曇野市役所で展示 女性参政権に尽力 8日国際女性デー

加藤の功績に光を当てた展示の会場

 安曇野市と市ジェンダー平等推進ネットワークは8日の国際女性デーに合わせ、昭和時代に女性の政治的な権利を求めて運動した旧烏川村(現・安曇野市堀金烏川)出身の加藤壽々子(1898~1997)に焦点を当てた展示を市役所で行っている。加藤の経歴や運動を紹介するパネルとともに、女性の参政権運動を主導した愛知県出身の市川房枝(1893~1981)が加藤に宛てた書状など計4通を並べている。

 加藤は松本高等女学校(現・松本蟻ケ崎高校)、日本女子高等学院(現・昭和女子大学)英文科を卒業した。昭和15(1940)年に市川が発行する『女性展望』の編集委員となった。市川らが「新日本婦人同盟」を結成すると、加藤は同同盟松本支部長に就いた。
 展示会場の東側ロビーには、戦時中に言論統制に関わったという理由で3年間にわたって公職追放となった市川が心境などをつづった書状や、手書きのはがきが展示されている。大町市文化財センターの所蔵品で、書状は東京都の衆議院憲政記念館で平成18(2006)年に開かれた女性参政60年特別展にも飾られた。
 国際女性デーは、アメリカで女性労働者が参政権を求めてデモを起こしたことが起源で、同じく女性参政権獲得に尽力した加藤に光を当てた。市人権共生課は「今は女性に参政権があるのは当たり前だが、戦前はそうではなかった。性の差別は声を上げないと変わらないということを考えるきっかけにしてもらえれば」と話している。
 展示は29日までで、市役所の開庁時間内に見ることができる。

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