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八丁ダルミに登山者の姿 御嶽山 9年ぶり一般開放

御嶽山の王滝頂上(右奥)から八丁ダルミの登山道に入り、剣ケ峰を目指す登山者(29日午前10時34分)

 王滝村は29日、御嶽山王滝頂上(2936メートル)―剣ケ峰(3067メートル)間の尾根筋「八丁ダルミ」への進入規制を解除した。平成26(2014)年9月の噴火災害以後初めて、9年ぶりに二つの頂がつながり"元のお山"に戻った。主要な登山道がすべて通れるようになり、御嶽山とともに生きてきた地元にとって大きな節目となった。

 午前10時に解除予定だったが、前日の雨で登山道の一部が崩れるなどして修繕が必要になったため、急きょ30分遅らせた。王滝頂上では解除を今か今かと待っていた約170人が、感慨深げに八丁ダルミに足を踏み入れた。剣ケ峰では、解除と同時に十数人が王滝頂上を目指した。
 八丁ダルミでは本年度までに、王滝村が定員30人のシェルターを2基新設するなどして安全対策を進めていた。登山道を示すロープを張る一方、頂上一帯での滞留防止のためにベンチを撤去して、速やかな下山を呼び掛ける看板を設置した。
 王滝頂上で規制ロープを外した越原道廣村長は「御嶽山があってこその村。地域振興の面でうれしい。噴火災害で多くの犠牲者を出した活火山であることをしっかり認識し、それぞれの体力・気持ちを考慮してルートを選び安全登山をしてほしい」と話した。
 災害後の御嶽山は30年9月に木曽町側の剣ケ峰まで登れるようになり、王滝村側の王滝頂上へは令和2年8月に到達できるようになった。