安曇野市で加藤登紀子さんのコンサート 歌でつなぐ非戦の思い 戦後80年に合わせ市民が企画

戦後80年と安曇野市合併20周年の節目を記念する安曇野平和コンサート(加藤登紀子と平和を願う実行委員会主催)が18日、豊科公民館で開かれた。「for peace 80億の祈り」をテーマにシンガー・ソングライターの加藤登紀子さんが出演。ホールを埋めた700人弱に、平和への祈りを込めて20曲余りを熱唱した。
加藤さんは曲にまつわるエピソードを紹介しながら、観客と対話するように、語りかけるように歌った。ロシアの侵攻を受けているウクライナの支援CDに収めた、60年代米国の反戦歌という「花はどこへ行った」も優しく力強く歌った。
代表曲の一つ「百万本のバラ」は、観客も手拍子で熱唱を後押しした。加藤さんは「戦争が終わった時に二度と戦争をしない憲法を持つ国になり、平和が守られてきた。このバトンを受け取って80年守ってこられた。世界に責任を果たす国になれば」と述べた。
ステージの最後で太田寛市長が真っ赤なバラの花束を贈り、加藤さんがうれしそうに笑顔で受け取った。太田市長は、安曇野市が平和都市宣言をしていることや「日本国憲法は平和憲法」であることを紹介しつつ、「そうした国民であることを認識しながら『80億の祈り』とともに皆さんと地球上の平和を祈りたい」と述べた。
市民有志が政治的思想によらない「オール安曇野」(実行委事務局)で平和を願って企画した。山口わか子実行委員長は「誰だって戦争は嫌。一人一人がそれを感じてくれたらこのコンサートは大成功」と語り、平和を深く考えるきっかけになることを願った。