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松本のあめ市 中町に子供の売り声復活

威勢のよい掛け声で福だるまを販売する子供たち

 松本市の中町二丁目町会子ども会(細谷貴子会長)14日、中心市街地で開かれた伝統行事・あめ市に合わせ、中町通りで17年ぶりに福だるまの街頭販売をした。同町会は少子化の影響で子供たちによる販売は途絶えていたが、子供の人数が一定数そろったことから復活した。小学生5人が売り子になり、商都・松本に元気な掛け声を響かせた。

 「いらっしゃいませ、福だるまはいかがですか」。道行く人に子供たちが笑顔で声をかけると、多くの人が足を止めた。用意した福だるまは70個で、販売開始から1時間半ほどでほぼ完売した。
 信州大学付属松本小学校5年生の細谷遥斗君(11)は「みんなと協力して、たくさん販売することができた」と満足げに語った。掛け声や接客の方法は町会の年配者に教えてもらったといい、接客に興味を持った様子だった。
 あめ市の福だるま売りは子供たちが実売を通じて商売のイロハを学ぶ機会だったが、近年は実施する町会が減少傾向に。こうした現状を危ぶんだ中町二丁目子ども会は昨年、行事を復活させようと住民や店を対象に事前に注文を取って当日に福だるまを届ける受注販売をした。
 今年は受注販売に加えて街頭販売も行い、活動の幅を広げた。保護者でもある細谷会長は「17年ぶりに復活できたので、できる限り続けていきたい。収益は子ども会の活動に役立てたい」と話している。