地域の話題

2人で創作、生きる力に 森重樹さん・孝子さん夫妻絵画展

それぞれの作品の前に立つ重樹さんと孝子さん

 松本市宮渕本村の森重樹さん(70)と妻の孝子さん(68)の絵画展が、同市深志2のギャラリー井上で開かれている。重樹さんの個展として企画された油彩画の展覧会に、難病の筋ジストロフィーを患う孝子さんもアクリル画を出展。夫婦で計約50点を並べ、絵にかける情熱を発信している。9日まで。

 信州の山々に魅了され、会社員だった重樹さんの退職を機に6年前、三重県から移住した森夫妻。重樹さんは目にした景色そのままを描くのでなく「鳥のさえずりや風の音など見えないものを描きたい」と独創的なタッチで風景画を手掛ける。「冬萌」「水温む」など四季折々の作品を出展した。
 孝子さんは和紙にアクリル絵の具で描く技法で、しなやかな女性たちを描いた。夫婦で長年描画に親しんできたが、孝子さんは年々体の不自由を感じるようになり、筋ジストロフィーと診断された。「しんどさを感じる日々」だが、重樹さんの作品展に一緒に出展すると決めてから「やる気が湧いた」。制作に打ち込む時間は「とても楽しかった」と振り返った。
 重樹さんは夫婦そろって開催できたことを喜び「見る人それぞれの感想があるはず。楽しんでもらえれば」と話している。午前10時~午後6時半(最終日は3時)で入場無料。