政治・経済

女性デジタル人材に注目 女性活躍相が塩尻のKADO視察

3次元高精細地図の製作作業現場を視察する小倉女性活躍担当相(左)

 小倉將信女性活躍担当相・内閣特命担当相(男女共同参画)は18日、塩尻市を訪ね、塩尻発の自営型テレワーク推進事業「KADO(カドー)」を視察した。女性デジタル人材育成の知見を深める目的で、大門一番町のウイングロードビル内の塩尻テレワークセンターで、ワーカーと呼ばれる働く女性たちや百瀬敬市長、市の担当者と意見交換した。

  小倉担当相は、自動運転に使う3次元地図データの作成作業や人工知能活用型オンデマンドバス・のるーとの電話予約受け付けの様子を視察した。GIGAスクール構想でタブレット端末が導入された学校のICT(情報通信技術)活用を支援していることも市担当者が説明した。
 KADOでは自営型テレワーカーとして約300人が働く。県内外の企業や自治体の業務を受注する市振興公社を経由して、個人事業主として仕事を得る。年間受注額は約3億円、登録ワーカーの約9割が女性だ。家庭の事情で時間に制約のある人も柔軟に働くことができる。
 国内の女性のデジタル人材の割合は19%にとどまる。国は女性の経済的自立の観点などからも、人材育成は喫緊の課題としている。小倉担当相は「とても生き生きと、難しい仕事を丁寧に確実にやる姿を確認できた。(社会保険の)扶養の壁がネックとの声をしっかりと受け止め、議論を進めていく」と話した。