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「御柱祭」住民の心一つに 山形村上大池で里曳き・建て御柱

力を合わせて御柱を曳く住民たち

 山形村上大池で15日、7年目ごとに営まれる御柱祭の里曳きと建て御柱が行われた。山際に近い集落の外れに安置してあった柱1本を住民が力を合わせて曳き、集落入り口近くのつじに建立して地域の平穏や無病息災を願った。

 昨年12月に山出しした長さ約14.5メートル、直径約60センチ、重さ2トン強のモミを御柱とした。曳き手たちは「よいしょ、よいしょ」の掛け声で力強く縄を曳き、カーブの難所は柱を動かす方向を見極めながら息を合わせた。要所で、地元の上條富春さん(66)が木やり歌を響かせ、伝統の祭りを盛り上げた。村消防団上大池分団のラッパ演奏も花を添えた。
 約1時間で建立場所に着くと、皮むきと先端を三角すいに整える冠落としを行い、長さを13.25メートルに整えた。重機を使って行った建立を住民が見守った。
 初めて参加した中村利子さんと中村文子さんは「想像より重くて体は大変だったけれど、参加してよかった。こうして伝統が受け継がれてきたんだと実感できた」と話した。中川香祭典委員長(71)は「皆さんの力で立派な柱を建てることができた」と感謝した。
 村内では小坂区(本殿上・下)で2月5日に、中大池区(野際、上手、中村)で2月19日に御柱祭が予定されている。