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御嶽海 9勝6敗で締め 千秋楽黒星 復調の兆し 立ち合い鋭く

寄り切りで錦富士(右)に敗れた御嶽海(読売)

 大相撲秋場所(東京・両国国技館)千秋楽の24日、上松町出身で東前頭11枚目の御嶽海(出羽海部屋)は、西前頭13枚目の錦富士(伊勢ケ浜部屋)に寄りきりで敗れ、7年半ぶりに幕内下位に甘んじた場所を9勝6敗で終えた。12日目に、大関から陥落後としては最も速いペースで勝ち越しを決め、復調も感じさせた場所だった。

 初日から6連敗して3勝12敗と大負けした先場所から一転、今場所は3連勝スタートを切った。自分本来の押し相撲にこだわろうとする姿勢が随所に光り、特に攻め手のはずを右で効かせる場面が多かったのは、大関だった昨年の夏場所で傷めた右肩の回復を感じさせた。
 木曽相撲連盟の元会長で、御嶽海が相撲を始めた小学生の頃から成長を見守ってきた三村喜一郎さん(92)=木曽町新開=は「立ち合いの鋭さが戻ってきた。御嶽海の『正常な相撲』と言える」と目を細めた。2場所ぶりに勝ち越すも、新大関だった昨年3月の春場所以来となる2桁白星には届かなかったことには「9勝では物足りない。相手を『ばーん』とはじく迫力ある相撲もまだまだ」と手厳しい。来場所に向けて「稽古で磨きをかければ、もっともっと強い御嶽海が戻るはずだ」と期待を込めた。
 九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)の新番付は10月30日に発表される。