政治・経済

筑北村の収蔵物 村民に無償譲渡へ

村民向け譲渡会が開かれることになった村収蔵庫。廃棄予定の品には柱時計や蓄音機などの珍品も残る

 筑北村西条にある明治21(1888)年建設の木造建築物で、将来的に解体・廃棄が決まっている村収蔵庫(旧本城村民俗資料館・旧松本区裁判所西条登記所)で、3月12日に廃棄予定の収蔵物の無償譲渡会が開かれる。収蔵物は本年度、建物の老朽化に伴い主立った品が村内の他施設へ移されたが、残る多くのものは近く廃棄処分される予定で、必要と考える村民に譲ることにした。

 村教育委員会によると、収蔵物のうち、村文化財調査保護委員・村歴史民俗資料館運営委員が価値判断し、移した民具や古文書、土器など約1000点を除く約1200点分を村民に無償譲渡する。
 廃棄予定の収蔵物は、酒器やおけ、桑切包丁、おのなどの民具のほか、馬具や柱時計、警察官の制服、ラジオ、蓄音機、鬼瓦といった珍品も並ぶ。1人何点でも先着順で譲るが、転売防止のため譲渡先は記録に残す。
 村教委は1月、西条区の役員に移転後の館内を確認してもらった際、「安易に廃棄せず再利用の道を講じてほしい」との要望を受けた。村教委は「今後も大切に使う人に役立ててもらえれば」とする。
 譲渡会は午前10時~午後3時。予約の必要はない。