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春節料理で異文化知って 塩尻の中華料理店で31日まで提供

新年おめでとうを意味する「新年快楽」の幕を掲げた龍胆。店内を春節式に装飾している

 中国や中華圏における旧暦の正月「春節」の風習が31日まで、塩尻市大門一番町の創作中華料理店・中信会館龍胆で実施されている。中国で9年間の修業を積んだ副料理長の関生一さん(41)が、現地の華やかな旧正月を懐かしんで企画した。店内を春節仕様に飾り、中国式の願掛け料理を期間限定でメニューに加えており「食を通じて文化を知って」と話している。

 春節では日本のお節料理のように、縁起を担いだ食材で家庭料理を作る。そこで関さんも「富を呼ぶ太刀魚」「金運爆上げ水餃子」など中国式の願掛け5品を創作した。蒸気が上がる様が上昇を連想させる蒸し料理や吉(ジー)、年高(ネンガオ)、有余(ヨウユー)など縁起のいい中国語と同音の食材を使った鶏肉料理、餅料理、魚料理などだ。
 春節は、出稼ぎから故郷に戻る人たちで中国が最もにぎわう時期とされ、今年は1月22日に新年を迎える。関さんが春節を体験したのは中国で修業した20~30代の頃。縁起がいい赤で街を彩り、願掛け料理を用意し、爆竹を鳴らして新年を祝う活気が「今も忘れられない」。コロナ禍で行き来が難しい昨今だが「日本に居ながら春節を味わってもらえれば」と話している。
 春節の料理は昼夜とも味わえる。問い合わせは同店(電話0263・52・2340)へ。