政治・経済

上高地を世界の観光地に 環境省が未来構想策定

 環境省は29日、中部山岳国立公園の景勝地・上高地(松本市安曇)について、ホテルや野営場が集まるエリア(集団施設地区=マル集)の魅力を高めるための「上高地マル集未来構想」を策定したと発表した。観光客への情報発信や景観の保全などソフト、ハード両面の磨き上げを行い、世界中の人が憧れる国立公園の拠点を目指す。

 エリアは上高地バスターミナルや小梨平野営場、ウェストン園地を含めた周辺一帯。同省は、河童橋周辺に観光客が過度に集中するなど、上高地の魅力が十分に伝わっていないなどの課題を挙げる。
 構想では、ホテルや店舗の従業員を含めた上高地関係者の誰もが観光案内できる知識を身に付ける人材育成や、ホテルへの手荷物配送サービス、野生動物と共生する環境整備などを視野に入れる。
 上高地を含めた松本・高山エリアが、富裕層の訪日外国人を呼び込む「モデル観光地」として観光庁から採択されたことも踏まえて計画づくりに来年度着手し、令和6年度以降、実行に移す。環境省中部山岳国立公園管理事務所は「民間事業者の協力が不可欠。市とも連携して取り組みを後押ししたい」としている。