地域の話題

南木曽町の林業資料 県有形民俗文化財に指定へ

南木曽町田立の旧田立小学校校舎に並ぶ林業資料の一部

 県文化財保護審議会(会長・佐々木邦博信州大学名誉教授)が14日、長野市内で開かれ、「南木曽町の林業資料」を県有形民俗文化財に指定するよう県教育委員会に答申した。尾張藩による厳しい統制によって保たれてきた木曽谷の木曽ヒノキの美林や、林業の変遷や形態を知る上で「貴重この上ない資料」と評価した。

 南木曽町の林業資料は、江戸時代に幕府の政策により木曽谷で林業開発が急速に展開された時期から使われてきた道具類など281点からなる。伐採(伐木・造材)に用いられた鋸や斧、鉈、運搬・牽引に用いられた木馬、計測道具や刻印・焼印、蓑やわらぐつといった衣類などがある。
 南木曽町が所有・管理し、町博物館や旧田立小学校(町博物館分館)、山の歴史館、旧加納屋土蔵などに保管されている。木曽谷のほかの町村にも多くの林業資料が保管されているが、南木曽町がいち早く保全に努めていることも評価された。
 県有形民俗文化財に指定されれば8件目で、中信地域では初めてとなる。

連載・特集

もっと見る