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「鬼は外」今年こそ穏やかに 松本でも節分行事

大きな声を張り上げて豆をまく僧侶と成田講の役員(恵光院)

 寒の終わりとなる「節分」の3日、松本市内の寺社で豆まきなどの行事が行われた。新型コロナウイルスの感染予防で簡素化された寂しい状態が続き、関係者は以前のにぎわいが戻ることを願っていた。

 深志3の深志神社の行事には、年男・年女ら関係者約40人が参加した。拝殿の前に据えられたかまどで豆炒り式が行われ、大きな鉄鍋に豆を入れて参加者が順番にしゃもじでかき混ぜると、香ばしい匂いが広がった。拝殿での節分祭では、牟禮仁宮司が人々の健勝と繁栄を願う祝詞を奏上し、邪気を払う儀式を行った後、神職と氏子総代が豆まきをした。拝殿の外で見ていた数人の人にも投げて福を届けていた。
 女鳥羽1の恵光院では成田講の豆まきが行われた。近藤文雄住職ら僧侶4人と講の役員15人が、本堂で祈祷を行い、だるまやお札を護摩焚きで清め、境内に向かって並んで豆をまき、「鬼は外!福は内!」と市街地に大きな声を響かせた。恵光院成田講の世話人代表の筒井良行さんは「3年連続で役員だけでの行事となり残念。来年は必ず以前と同様にすると話し合って決めた」と力を込めていた。