教育・子育て

蚕玉様と三九郎って、もしかして... 山形小児童がつながり独自に考察

村内に残る蚕玉様を見学に訪れた児童たち

 「蚕玉様のお祭りを3月と9月にやるから『三九郎』」―?。かつて盛んだった地域の養蚕を学んでいる山形村の山形小学校4年3組の児童27人が、養蚕と小正月の伝統行事・三九郎とのつながりを調べ、名前の由来を独自に考察している。児童たちは、学級で考えた"新説"について地域住民や養蚕の歴史に詳しい人に意見・情報を寄せてほしいと願っている。

 蚕の順調な成長や繭の豊作を願う石造物で村内にも多く残る「蚕玉様」を昨年秋に見学した際、地域のお年寄りに聞いた話がきっかけになった。
 児童は故郷に目を向ける総合的な学習で、春と秋に蚕を飼育。蚕の一生を観察したり、繭で工作をしたりしてきた。昨年秋には、村内に16カ所残るという蚕玉様のうち数カ所を見学。上竹田の蚕玉様を訪れた際、通り掛かった近所のお年寄りから「蚕玉様の前で火を付け、その火を三九郎の火にするため、近くの空き地に持っていった」という話を聞いた。また、蚕玉様の祭りが3月と9月に行われていたことを知った。児童たちは蚕玉様の祭りの時期とお年寄りの話から「三九郎」と呼ばれるようになったのではないかと考えた。
 三九郎は松本地域に伝わる呼び方で、由来は諸説あるとされる。児童たちは祖父母や地域の人、学校の先生に聞くなどで情報を集めているが、養蚕の最盛期を知る年代が少なく、分からないことも多いという。そこで「新聞を通じていろんな人の意見を聞いてみたい」と、このほど代表児童4人が市民タイムスに手紙を寄せた。
 手紙を寄せた一人の友森咲翔君(10)は「みんなで新説を考えたので、意見や質問、知っていることがあったらどんどん寄せてほしい」と願っている。情報などは山形小学校(電話0263・98・2012、ファクス0263・98・3943)へ。

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