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生き物の声 3人が代弁 本紙「旬の自然観察」座談会 

700回到達の感謝とともに、生き物の魅力を語る3人(左から丸山さん、那須野さん、中田さん)

 市民タイムスの連載「松本・安曇野 旬の自然観察」の執筆者3人の座談会が11日、安曇野市穂高柏原の市民タイムス安曇野支社山光ホールで開かれた。身近な場所で「一生懸命に生きている生き物」の声を代弁する3人の話に、定員いっぱいの40人が引き込まれた。

 田淵行男記念館「むしの会」会長の中田信好さん(61)=安曇野市=は、身動きができない産卵中、生きながら他の蜂に捕食されるヒラアシキバチを紹介した。「そうして他の命をつなぐ糧になる。見ていてむごい、と思うが、これが自然、とあらためて思った」と自然観を語った。
 自然観察インストラクターの丸山隆さん(72)=松本市=は、警戒心の強いテンを撮影するセンサーカメラの設置場所を「落ち葉がなんか散らかっている不自然な場所」と説明した。長年の観察で到達した丸山さんだけの境地を感じさせた。
 三郷昆虫クラブ世話人の那須野雅好さん(63)=安曇野市=は、親友の中田さんとのエピソードで大笑いさせた。多様な生き物と撮影法を紹介し「(豊かな自然環境を守るために)いろんな生き物がすぐ近くにいることを知ってもらうことが大事」と原動力を語った。
 連載は1月に700回に到達し、3人は「読者の皆さんのおかげ」と口をそろえた。山光ホールは12日まで700回記念写真展を開いている。開場時間は午前10時~午後4時。

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