政治・経済

行政情報化28年 塩尻市CDO・小澤光興さん 定年延長で信大へ派遣

塩尻市職員として情報システム部門に28年ほど携わる小澤さん

 塩尻市の最高デジタル責任者(CDO)で企画政策部参事・デジタル戦略課長の小澤光興さん(60)=宗賀平出=は、情報システム部門に28年間従事してきた。技術職ではないものの、40年間にわたる市職員の経歴の大半で、行政のDX(デジタル技術による改革)を推進。今春、定年延長制度を活用して信州大学に派遣される。同じ分野でのさらなる活躍を誓う。

 大門出身の小澤さんは長野工業高等専門学校(長野高専)を卒業し、昭和59(1984)年4月に20歳で入庁した。庶務課、市民課などを経て情報開発課に配属されたのは平成5(1993)年。情報推進課、情報政策課などと名称は変わったが、同じ役割の部署で働いてきた。
 令和に入り、DX推進のため、業務を徹底的に見直した。保育園の入園申請の電子化は、職員の残業時間や保護者負担を減らした優良事例だ。
 「職員の業務環境が良くなれば市民サービス向上につながる」。システム導入だけでは不十分で、部署を超え職員同士で意識を共有し事業を進めてきた。対外的には、ながの電子申請に代表される県内各自治体の共同利用サービス検討に積極的に取り組んできた。
 4月から信大で地域DXを進める。「これまでの知見や人脈を生かし、市のサービスに何か転換できれば」と話す。後進には「型にはまらず新しい技術を試し、市民の幸福度を上げるための施策を自由にやってほしい」と願っている。