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スカイランニング世界一 豊科東小教諭の岡田裕也さん 山岳52キロ マスターズ選手権

表彰台に立つ岡田さん(中央)

 安曇野市の豊科東小学校教諭・岡田裕也さん(47)=穂高有明=が、ポルトガルで今月開催された快速山岳スポーツ「スカイランニング」の40歳以上の愛好者が集うマスターズ世界選手権・スカイウルトラ種目の男子45歳以上で優勝した。陸上競技の経験もなく、ダイエットを目的に42歳でウオーキングを始めて、わずか5年で世界の頂点に輝いた。

 昨年9月に福島県で行われたスカイランニング日本選手権のスカイウルトラ種目でマスターズ6位になり、世界選手権の出場権を初めて獲得した。世界選手権には日本から代表9人が出場した。
 スカイウルトラ種目は距離52キロ、累積標高差3600メートルのコースで行われた。岩場や川を渡る渡渉の多いハードなコースで、気温は約30度まで上がるが乾燥しており、気付かないうちに脱水が進む状況だったという。
 競技中は、家族や仲間、職場、子供たちなど「いろいろな人のおかげで走れていることをずっと思い描いていた」と振り返る。30キロ過ぎから体のしびれや重さなどの変調があって苦しかったが、「絶対にやれる」と自分に言い聞かせ、6時間27分6秒のタイムでゴールした。男子45歳以上では1位、総合だと4位の成績だった。
 ウオーキングを始めた頃は3キロ走れなかった。続けるうちに5キロ走れるようになってタイムも伸び、友人に誘われた不整地を走るトレイルランニングで尾根を走る開放感と野性味に大きな魅力を感じた。大会で上位に入ったり招待選手になったりと活躍し、スカイランニングの大会にも出るようになった。
 世界トップの結果は喜びつつも「ゴールが終わりではなく、新しい挑戦のスタートライン」と受け止める。来年の世界選手権も見据えながら、「結果を本職に生かして子供たちに返したい。地域活性化と競技発展にも生かしたい」と語る。

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