政治・経済

松本パルコ 閉店後は官民複合施設に 運営会社が市に提示

令和7年2月末に閉店する松本パルコ。図書館などが入る複合商業施設として再開する可能性が出てきた

 令和7年2月末に閉店する松本市中央1のファッションビル・松本パルコ(地下1階地上6階、延べ約2万2000平方メートル)について、閉店後に改築を行い、低層階を商業施設、上層階を公共施設として再開することを運営会社が検討していることが、17日分かった。市は、図書館をはじめとした複合施設の設置を軸に協力を前向きに検討するもようだ。

 公共施設と複数の店舗が入る複合施設としてリニューアルすれば、中心市街地のまちづくりに大きなインパクトを与えることになる。閉店で懸念されていた中心市街地の空洞化にも一定の歯止めがかかる可能性がある。
 関係者によると、10月下旬に運営会社の関係者が市役所を訪れ、具体的な方向性を提示。市に5000平方メートル程度の賃貸借を依頼したほか、閉店後速やかに改築を行い、早期に営業を始める考えを示したという。
 臥雲義尚市長は、公民連携のまちづくりを重視する。パルコ閉店後の在り方は中心市街地再活性の鍵だとし「必要とあれば、市が『ポストパルコ』の計画に積極的かつ主体的に参画すべき」と述べていた。昨年10月策定の「図書館未来プラン」には、駅周辺への図書館設置を検討する考えを盛り込んでいる。
 松本パルコは昭和59(1984)年に開業し、平成8年に増床。若者文化の発信地として大きな存在感を発揮してきたが、今年2月、中心街の競合激化などを理由に閉店を発表した。運営会社が土地建物の大部分を所有する。