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松本の空間デザイナー・金井亮さん iFデザインアワードで金賞

受賞したオフィスの画像と金井さん

 松本市里山辺のラスデザインオフィス代表で空間デザイナーの金井亮さん(41)が、世界三大デザイン賞の一つ、ドイツの「iFデザインアワード2024」で金賞を獲得した。受賞対象は博報堂テクノロジーズ(東京都港区)のオフィス。世界中のデザイナーが注目する賞で、金井さんは自身の仕事が認められた喜びをかみしめている。

 iFデザインアワードには72カ国から1万1000件を超える応募があり、75件に最優秀デザインとして金賞が与えられた。金井さんは「インテリア・内装」部門で受賞した。
 リモートワーク、在宅勤務が定着し、新型コロナウイルス禍が落ち着く中で、新たなオフィス空間の提案を求められた。デザインでは組織として場を共有すること、他部署とのコミュニケーション、在宅勤務の人とのつながりといった事柄を考慮した。
 一昨年9月に完成したオフィスは約990平方メートル。5部署があり、部長の周囲に部員用の席を置いた。部署と部署の間にはフリースペースを配置。フリースペースは打ち合わせなどで誰でも使え、部署内、部署間で「勝手にコミュニケーションが混ざり合う」(金井さん)ように考えた。
 天井板を外して骨組みを見えるようにしたり、組み木を天井に設置したりした。床はフローリング、カーペットなどと区域ごとに違いを作った。木の素材感を生かしたテーブル、居心地の良さに通じるよう垂直方向の照明も設置した。
 授賞式は4月下旬、ドイツで開かれる。金井さんは「デザイナーなら誰でも知っており、一生に一度取れるかどうかという賞。興奮している」と受け止め「これからも質の高い仕事をしたい。松本でいいものを作りたい」と意欲を見せていた。