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お手玉こつこつ手作り 松本の二村さん、寄贈先募る

1個1個丁寧に作られたお手玉と、二村さん

 松本市島内の二村登世さん(88)は、10年ほど前から趣味でお手玉を作り、保育園や高齢者福祉施設などに贈っている。昨年までは車で寄贈をしに行ったが、高齢のために運転免許を返納した。各地に届けに行くことはできなくなったものの、「お手玉をもらってくれる施設があったら」と願いながら作り続けている。

 材料の布は、使わなくなった着物や洋服、布団の生地だ。島内地区福祉ひろばの運営に携わる住民ボランティアの厚意で、布の裁断やアイロンがけをしてもらっている。福祉ひろばに隣接する島内デイサービスセンターの利用時などに、こつこつと縫っている。黒豆の生産者から出荷できない豆を譲ってもらい、自宅でゆでて乾燥させ、虫よけをしてから、お手玉に詰めている。
 これまでに島内地区内外の保育園や小学校、児童センター、デイサービスセンター、児童養護施設・松本児童園などに贈ったという。自宅に250個ほどあり、二村さんは「自分にできること、人の喜ぶことをやりたいと思って作り続けている」と寄贈先の人たちの笑顔を思い浮かべながら話す。
 「お手玉は投げたり積んだり、いろいろな遊びができる」と言い、活用したいという受け取り手を探している。