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松本繁華街の昭和横丁が閉場へ 山雅サポ集う名店「かとちゃん」も

かとちゃんの店内で盛り上がる来店者

 松本市の松本駅に近い繁華街の中心部にあり、レトロな建物内に飲食店が軒を連ねる「昭和横丁」が、来年1月3日で営業を終えることが分かった。平成17(2005)年6月のオープン以降、多くの市民や観光客が訪れ飲食を楽しんできた場が、惜しまれつつ18年の歴史に幕を下ろす。

 管理会社が事業撤退を決め、2日に閉場を知らせる張り紙を正面入り口に張り出した。閉場日は来年1月3日になっているが、現在営業している飲食店は今年いっぱいで閉店すると見込まれる。
 昭和横丁は飲食店ブースが6店舗分あるが、現在は4店が営業しているのみだ。この中にはサッカー松本山雅FCのサポーターが多く集うジンギスカン店「かとちゃん」がある。店主の加藤順一さん(65)は「昨年末に閉場の話が出てきた。とても残念」という。横丁のオープン当初から営業を続け、山雅の元監督の反町康治さんや、Jリーグのチェアマンを務めた村井満さんをはじめ、サッカー関係者のサインが店内に多く飾られる。加藤さんは「山雅がJ2やJ1に昇格する度にサポーターで盛り上がったのが忘れられない」という。
 山雅ファンだけでなく、名物のジンギスカンの味を求めて県外から来る人も多い。埼玉県から出張の度に来店するという田中慎也さん(41)は「閉店は本当にびっくり。ぜひ違う場所で再開してほしい」と期待していた。加藤さんは「12月末までこの場所で営業を続けるので、山雅のJ2昇格をここでサポーターと祝えれば」と願っていた。