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風穴で日本酒熟成へ 松本市内の3蔵が搬入

蔵に日本酒を運び込む酒造店の従業員ら

 山肌から漏れ出す冷風を利用した伝統の天然冷蔵庫「風穴」で日本酒を熟成させるための蔵入れ式が9日、松本市安曇の稲核であった。同市島立の大信州酒造と亀田屋酒造店、同市島内の笹井酒造が、純米と純米吟醸の一升瓶(1・8リットル)1200本と4合瓶(720ミリリットル)900本を運び込んだ。

 冷気を逃さないように造られた木造の蔵に手作業で日本酒を運び入れた。蔵は山側の壁にある石垣の隙間から冷気が室内に流れ込み、年間通じて室温が8度ほどに保たれる。
 天然の冷気が瓶に当たることで熟成し、まろやかな味になるという。9月中旬まで熟成させ、「風穴貯蔵」のラベルを貼って市内の酒店などに並べる。
 笹井酒造の杜氏・笹井康夫さん(51)は「日本酒造りは多くの人の手を必要とする。デジタル社会全盛の中、アナログな製法にこだわり、ブランド力を高めていきたい」と話していた。

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