政治・経済

松本市議会の改革度 全国11位 高校生との交流が教科書にも掲載

市議会と高校生の交流の様子が紹介されている高校の公共の教科書

 早稲田大学マニフェスト研究所(東京都)がこのほど発表した、全国の都道府県議会と市町村議会が対象の「議会改革度調査2023」で、1562議会のうち松本市議会が総合ランキングで11位となった。高校生やPTA、町会連合会などさまざまな市民と対話を重ね、課題解決に向けた政策立案に結び付けていく姿勢が評価されたとみられる。

 調査は主に、情報が住民と共有できているかどうかを表す「情報共有」、地域住民が議会に参画できているかを示す「住民参加」、監視機能や政策立案機能を発揮するための要件や資源を最大限活用しているかどうかなどを表す「議会機能強化」の3分野の視点で行われた。
 これらを個別順位で見ると、松本市議会は「住民参加」が3位で特に高く評価されていた。平成27(2015)年から続く松本工業高校や梓川高校の生徒たちとの交流事業では、高校生の提案が請願に発展し全国の先進事例として高校の「公共」の教科書にも掲載された。
 松本市議会は、21年に全国の自治体に先駆けて議会基本条例を制定して以降、定例会の本会議や委員会の原則公開、インターネット上での議事録や本会議動画の公開、小中学生向け議会便りの発行などに取り組んできた。今年の2月定例会で同条例を大規模改正し、非常時における議会機能の強化や、市が重要施策を決定する際は、あらかじめ議会に説明し意見を聞く機会を設けることなどを条文化した。
 上條温議長は「県内で初めて議会基本条例をつくり、先頭を切るつもりで議会改革に取り組んできた。これからもこの姿勢を貫いていきたい」と語った。
 調査は全1784議会を対象に1月9日~2月12日に行われ、回答率は87・6%だった。県内で総合トップ100に入ったのは飯田市議会(10位)、上伊那郡の宮田村議会(17位)、岡谷市議会(72位)、県議会(93位)、長野市議会(97位)だった。