地域の話題

空き家改修、貸し出しへ 上松町 住宅確保し移住促進

空き家が増加傾向にある上松町(天狗山公園付近から)

 上松町は新年度、所有者から無償で借りた空き家を改修後、移住者らに貸し出す事業に着手する。本年度実施した調査では空き家が306戸あり、3年前の前回調査に比べて倍増している。山がちで住宅確保が難しい中、移住促進の鍵となる空き家の有効活用が期待されている。

 町によると、調査で把握した空き家のうち、利活用できるとみられる物件が約200戸あった。一方、倒壊の恐れなどが生じる「特定空き家」の寸前で、一部に破損がみられるといった状態の「管理不全空き家」が約100戸あった。
 計画だと、本年度の調査を基に詳細な調査をして、利活用できる物件を選定する。町が無償で借りた空き家2戸を国の補助金を使って改修した後に入居者に10年間貸し出す。入居者の賃料を改修費に充て、10年後に物件を所有者に返す。新年度は改修設計を行い、7年度に改修。8年度に貸し出しができるようにする予定だ。
 昨年12月の空家等対策特別措置法改正により、管理不全の空き家にかかる固定資産税がはね上がるなどするという。井向昭企画財政課長は、空き家バンクへの登録を呼び掛けつつ「空き家で困ったことがあれば気軽に相談してほしい」と話している。