政治・経済

塩尻商議所が輪島商議所に見舞金 被災地支援 漆器産地の縁

輪島商議所の久岡政治会頭(右から2人目)に見舞金の目録を手渡す塩尻商工会議所の小松会頭

 塩尻市の塩尻商工会議所は16日と17日、能登半島地震の被災地を訪ね、交流がある輪島商工会議所(石川県輪島市)に見舞金や支援物資を届けた。発災から3カ月近く経過しても倒壊した建物が手つかずのままで、生活を支える商工業再建の段階にまで到達していない過酷な状況を実感した。

 金沢市を経由して17日、輪島漆器工業協同組合の会館の一角に設けられた商議所の仮事務所に、塩尻の小松稔会頭、元会頭の中島芳郎顧問、篠原清満専務と職員の6人が訪れた。
 集めた募金と、延期した新年の会員大会の事業費の計150万円を見舞金として贈った。会員事業所で、自動車販売などを手掛ける広丘野村のマルシンが軽トラック2台を、塩尻町のアルプスがリンゴジュース10箱(1箱16本入り)を提供。輪島の久岡政治会頭らは「元気が出る」と喜んでくれたという。
 令和3年に塩尻商工会議所の三役が、塩尻と同じく漆器産業がある輪島市を訪ねたのを機に、輪島商議所との交流が始まった。4年には旅行で塩尻を来訪した輪島の三役や職員を、奈良井宿や漆工町の木曽平沢、ブドウ園に案内した。全国会議がある東京都内でも顔を合わせて親交を深めた。
 地震被害に遭った商工仲間を元気づけようと見舞い、大きく壊れて様変わりした街の姿に衝撃を受けたという。輪島商議所ではいまだ会員事業所の3分の1しか安否確認が取れておらず、職員の人手不足の実態も知った。塩尻の篠原専務は「機会があれば直接の人的支援もしていきたい」としている。