政治・経済

平出博物館の移転計画「知らない」8割 周知が課題 塩尻

 塩尻市は、老朽化に伴って移転改築を探る市立平出博物館(宗賀平出)に関する市民アンケート調査結果をまとめた。移転計画を「知らない」と回答した人は8割近くを占め、いかに関心を持ち、繰り返し足を運んでもらえるような施設にするかが今後の課題だ。新平出博物館をPRするチラシを作り、市の広報紙「広報塩尻」の5月号に折り込んだ。

 アンケートは、平出博物館、平出遺跡公園、博物館移転計画の認知度や、新博物館の内容を尋ねる21項目の設問を用意した。
 博物館に「行ったことがある」人は6割程度にとどまった。その7割以上が来館時期を「5年以上前」と答え、半数は来館が「1回」だった。同館は「遠足など学校の課外授業で訪れただけの人も多い」とみて、何度も訪れる身近な施設に転換する必要があると考える。
 全体の3割を占めた「知っているが行ったことはない」人の半数が「興味があるが、きっかけがなかった」ことを理由に選んだ。
 新博物館で重視する内容(複数回答可)は、6割超が選んだ「子どもにもわかりやすい展示」が最多で、10代~70代の全世代が重視した。5割超が選んだ「さまざまなテーマを取り上げる企画展の充実」が続く。講座・体験学習を求める声もあった。
 調査は2月10日~3月10日、人口構成比を踏まえて抽出した市内在住の15~75歳の3000人に用紙を郵送し、42.4%(1273人)から回答を得た。
 チラシはA4判4ページで、文字を少なく印象に残りやすいように工夫した。掲げた「シン・平出博物館」の文言に「新設」「新解釈」「進行」などの意味を込めた。
 今夏の策定を目指す新博物館の基本計画素案は、概算事業費20億円で、平出遺跡公園北側の2ヘクタールに1400平方メートルの建物を建て、令和10年度開館を目指す方針を示した。計画素案への意見を募る「パブリックコメント」を行っている。小松学館長は「市民の皆さんに博物館や計画を知ってほしい。多くの人に愛される施設にしたい」と話す。

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