地域の話題

堅石区誌編さん中 地域づくりの機会に 塩尻

先輩区民の昔話に、周囲で耳を傾ける区誌編さん委員

 塩尻市広丘の堅石区は、地元の歴史を文書化して残そうと、区誌編さんに取り組んでいる。広丘地区内では唯一区誌がなく、住民でつくる区誌編さん委員会(三村尚志委員長、24人)が、区民から写真などの資料を集めて令和10年を目安に5年間でまとめる計画だ。

 区誌編さんのヒントを探る情報収集の一環で、このほど堅石公民館に昭和初期に生まれた80代後半~90代の区民男女7人を招き、編さん委員が昔話を聞く座談会を開いた。地元の神社・堅石三社の祭りの話題では、60~70年前の昭和30年代まで長持ちが担がれていたことや、ドジョウを煮て箱寿司にした「ドジョウ寿司」が家庭で作られたことが語られた。参加した郷原隆一郎さん(88)は「区誌は正確につづることが大切だ。話が少しでも役に立てば」とする。
 堅石区では平成13(2001)年から毎年、同公民館南側にある石造物群で祈年祭を聞くなど独自の行事を実施し地域文化を育んできた。住民から区誌編さんを望む声もあり、祈念祭の実行委員を中心に、昨年7月に編さん委員会を発足させた。区誌は「自然」「歴史」「民俗」「現代」の構成を想定し、六つの分科会で40~90代の委員が調査研究を進める。
 区民に呼び掛けて古い写真などの資料も収集中で、令和6年度中には収集写真の展示会を開く考え。三村委員長(76)は「自分の住む堅石を愛してほしい。区民ができることを提供し、地域づくりの一つの機会にしていきたい」と話している。