2025.7.4 みすず野
2025/07/04
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戦後最初の総選挙は昭和21(1946)年4月に行われ、全県1区の大選挙区制で14人が当選した。のちに逓信大臣や松本市長を務める降旗徳弥さんは、初の国政選挙に挑み、12番目で当選した。普選運動の中心となった父の膨大な借財を、16年かかって返済したばかり。選挙資金はなかったが友人らの支援で立候補。48歳だった◆金がない以上、選挙を戦うには言論しかないと、思いのありったけを訴えた。当選の感想を「感謝の思いしかなかった」と話し、最も印象が強い選挙だとも。戦後50年の平成7(1995)年に取材した◆高齢で足を患い、毎日家で読書をして過ごすと話された。政治家には「国会議員はかくのごとき理想を持ち、かくのようにする、だからついてきてくれ、という激烈な志がほしい」と思いを語った。この年の9月、96歳で逝去された◆参院選が昨日、公示された。候補者はどのような政治への思いを語ってくれるのか。20日の投開票日まで時間はある。各政党の主張とともに、じっくり内容をみてみたい。今年は戦後80年の節目の年。戦後が90年、100年と途切れることなく続くこと、それが選択の根本だ。