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2025年

2025.6.26 みすず野

2025/06/26
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 語呂合わせで記念日にしている例はいくつもあるが、これは見事だ。きょう6月26日を「ろ(6)てん(・)ぶ(2)ろ(6)」と読んで「露天風呂の日」。昭和62(1987)年に制定されたという◆ドイツ文学者の種村季弘さん(1933~2004)は、湯河原温泉で知られる神奈川県湯河原町に住んでいた。近所のミカン畑の一角に日帰り温泉が開業する。中には露天風呂とヒノキ風呂があった。かつては知られざる天国で、地元利用者の隠し湯のような存在だったが外来客で混むようになる◆「どうやら温泉はいまや少々交通費のかかる銭湯といった感覚で、通い湯治場として使われるようになったらしい。そのへんは私も同感」で、地元だけでなく、電車に乗り伊東や熱海へ出かけると書いている(『徘徊老人の夏』ちくま文庫)◆日帰り温泉がありがたいと感じたのは、真夏のキャンプ。テントの設営や食事の準備で汗だくになった後、近くの露天風呂で手足を伸ばした。最近は日帰り温泉で知人に会ったという話をよく聞く。顔見知りがいない方が気楽だからできるだけ遠くへ行くがそこには同じ思いでやって来た知人がいる。

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