政治・経済

松本パルコ後利用の計画白紙 運営会社「一から検討」

来年2月末に閉店する松本パルコ。公民連携の後利用方針は白紙となった

 来年2月末に閉店する松本パルコ(中央1)の後利用について、松本市は19日、運営会社「パルコ」(東京都)と市が連携して公共施設と商業施設を整備する方針を断念すると発表した。3月の市長選挙で大きな争点になったことを受けて慎重に議論を進めようとする市に対し、パルコ側が契約の見通しが立たないと判断、17日に市に協議中止を伝えた。土地建物のあり方について、同社は取材に対し「一から検討する」としている。

 これまでは、パルコが建物の南側旧館を解体する一方、北側新館を改築し下層階で商業施設を再開。上層階は市が借りて図書館や子育て支援などの機能を複合した施設を整備する方向で協議を進めていたが、全て白紙になる。
 松本パルコの後利用を巡っては、市長選で市の対応を批判する新人候補が臥雲市長に477票差まで肉薄。これを受けて市は従来の方針を維持しつつも、行政関与の妥当性や手法を丁寧に議論する考えを示していた。
 パルコは取材に、スケジュールの遅れや契約が担保されないリスクを理由に「これ以上社内協議を続けられない」と説明。残念だとした上で「パルコが商業施設を再開することはない」とした。
 臥雲義尚市長は19日に臨時の記者会見を開き「極めて残念だが、市民の共感と納得なくして見切り発車で進められない。計画の断念はやむを得ない」と述べた。その上で「パルコ側と今後、何らかの協議を行う可能性は基本的にない」とした。

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