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2025年

朝日の水と人の営み切り取る 写真家・高橋侑也さん滞在制作の成果披露

2025/07/05
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 朝日村で昨年4月から約1年間滞在し、制作に取り組んできた仙台市出身の写真家・高橋侑也さん(29)=東京都中野区=が、7~31日、同村針尾のギャラリー・ブルーハウススタジオで成果を発表する写真展を開く。滞在初日に村で耳にしたせせらぎに魅了されて村を流れる水に焦点を当て、村内各地で人々の生活を支える用水と用水にまつわる風景や人の営みにカメラを向けてきた。

成果発表の個展に並べる写真を準備する高橋さん
成果発表の個展に並べる写真を準備する高橋さん

 「Aqueduct(アキダクト)朝日村における用水の状態」と題し、滞在中に撮影した約800枚の写真の中から選んだ二十数点を展示する。
 ギャラリーを主宰する針尾の写真家・宇賀神拓也さん(48)との親交をきっかけに滞在制作を始めた。昨年4月から毎月、都内から高速バスを使って村を訪れ、作家用宿泊スペースがある同ギャラリーに各月約1週間滞在した。持参した自転車で村内の鎖川、水路、スキー場、スケートリンク、そば店、理容店、ヤマメ養魚場など各地に足を運び、35ミリフィルムカメラで撮影してきた。
 撮影中に出会った村民から水にまつわる行事や出来事を教わり、撮影対象も広がった。針尾の住民が行う水路の清掃作業、朝日村古見と松本市今井の間で長く繰り広げられた水争いの歴史を伝える五五・五七堰の水門閉鎖式、梓川から引いた水がスプリンクラーから出て村の畑を潤す風景といった地域ならでは営みの様子も多く記録してきた。
 高橋さんは「人々が水で生き、村のコミュニティーの中でそれを守り、活用しているんだと実感した。お世話になった村の皆さんと足元にある水について共有できたら」と話している。
 平日は正午~午後3時、土日曜・祝日は午前10時~午後5時。水曜休館。