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2025年

安曇野市穂高有明のギャラリー留歩 現代美術作家を紹介して20年 絵のある豊かさ共有

2025/06/13
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 安曇野市穂高有明のギャルリー留歩(ルポ)は7月、開設20周年を迎える。オーナーの米澤章雄さん(78)が、趣味の画廊巡りで収集した作品公開に始まり、100を超える企画展を通じ、画才にほれ込んだ現代美術作家を紹介してきた。親交を深めてきた画家たちに改めて焦点を当てる五つの周年記念展を企画、開催している。
 都内の画廊で出会って以降、約30年活動を追ってきた加藤英人さん(62)=岐阜県=の個展を7月末まで開いている。人物を主題に、社会への違和感や不条理に対する視点を具現化した大作など油彩20点余りが並ぶ。
 記念展として今年、地元の黒柳政登さんを皮切りに、第2弾で今尾栄仁さん=京都府=を紹介した。加藤さんに続き、古田恵美子さん=埼玉県=を秋に取り上げ、今年1月に亡くなったミズテツオさん=東京都出身=の追悼展で締めくくる。
 福井市出身で、国立大学の図書館職員だった米澤さんが、都内赴任時を中心に約30年の画廊巡りで作品約120点を当時集めた。
  定年が近づく中、信州大学(本部・松本市)への転勤に伴い住まいを探していたところ、閉館して売りに出されていた旧ホソノ色彩美術館と出合い、好機と捉えて開設を決めた。
 インターネットを介しあらゆる情報を入手できる昨今に、作品との対面や作家との交流を求めて遠方からも訪れる人たちを歓迎する。
 米澤さんは「直接本物に触れてほしい。自身の今日を彩る、絵のある暮らしの楽しさ、豊かさを一人でも多くの方と分かちたい」と話す。

画家の加藤さんと作品を囲み談笑する米澤さん(左)