安曇野市がヤングケアラーの実態調査開始 小学5年生以上 早期に把握し支援策検討
2025/07/04
後で読む
安曇野市は、日常的に家族の世話や介護を行う子供「ヤングケアラー」についての実態調査を始めた。市内の小中学校に通う小学5年生以上の児童・生徒を対象に無記名のアンケートを実施し、ヤングケアラーの有無や個別の状況を把握して支援策を検討する。
アンケートは各校で1人1台端末を使って行う。日常的に世話する家族がいるかどうかを聞き、「いる」と答えた人に、誰に対してどんな世話をどの程度の頻度でしているかなどを尋ねる。食事の用意、きょうだいの世話、家族の通訳などに追われ、部活動や勉強など自分のしたいことができない子供を把握し、面談や支援策の検討につなげる。
県が令和4年に行った実態調査では、市内の児童生徒〓人が「ヤングケアラーにあてはまる」と回答。その後の聞き取りで、このうち1人がヤングケアラーに該当すると判断し、家事代行サービスなどの支援につなげた。
ヤングケアラーの支援は、市が昨年4月に庁内に設置した、子供の悩みや子育て家庭の心配事について一体的に支援する「こども家庭センター」が中心的な役割を果たし、支援計画の作成や関係部署と合同でのケース会議を行うことにしている。市は「話を聞いてもらえる機関があることを周知し、早期発見につなげる好循環に結び付けたい」としている。
ヤングケアラーの実態調査は、法改正に基づき、全国の自治体がそれぞれ進めている。
