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2025年

旧松本市立博物館の解体進む 松本城公園 外堀南東側の視界開ける

2025/06/27
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 松本城公園(松本市丸の内)にある旧市立博物館の解体工事が着々と進み、地上2階の建物の撤去がほぼ終わった。視界が開け、外堀の南東側から国宝天守を望めるようになった。工期は10月末までで、今後は北側の収蔵庫の解体に着手する。
 解体は5月下旬に始まった。公園南の大名町通りとを結ぶ土橋に工事車両の進入スペースが設けられ、歩行者の通路が狭くなった。そのため、市は公園東の太鼓門から松本城公園に入るルートを推奨し、周辺に案内看板を立てて誘導している。
 東京から観光で訪れた会社員・吉池隆志さん(28)は太鼓門に回るルートを通り、「木の合間から天守が見えたので、松本城への期待感が高まって散策することができた」と話していた。
 旧館は昭和42(1967)年建設の鉄筋コンクリート造地下1階、地上2階建てで、令和3年3月に閉館し、5年10月に開館した現市立博物館(大手3)に役目を譲った。旧館の場所は国史跡で、遺構保存のため地面部の掘削やくい打ちをせずに工事を進めている。
 跡地は当面更地とする予定で、イベントなどでの活用を検討する。市立博物館の加藤孝館長は「視界が開けたので、太鼓門を通るルートが魅力的になったと思う」と話していた。

南東から望む旧市立博物館の解体現場