教育・子育て

発達障害児支援切れ目なく 松本市がインクルーシブセンター開所

関係者が集い、センターの理念を確認した開所式

 松本市は4日、発達障害がある子供を乳幼児期から高校卒業まで切れ目なく支援する「市インクルーシブセンター」の開所式を開いた。就学前の発達障害児を主な対象とする「あるぷキッズ支援事業」を学齢期まで拡充し、なんぷくプラザ(双葉)3階の「あるぷキッズ支援室」をセンターとして改称した。現役の専門教諭を3人配置し、学齢期を迎えた児童・生徒の教育支援を充実させる。

 臥雲義尚市長は「多様な支援を必要とする子供たちは年々増えている。センターを拠点に現場の支援力を高めていきたい」とあいさつした。
 信州大学特任教授の庄司和史さんがセンター開設までの経緯と理念を説明した。近年、学齢期の相談が多く寄せられるようになったことが設置の背景にあり、専門家でつくる市特別支援教育推進協議会が令和3年に設置の必要性を明記した提言書を提出していた。
 センターでは保健、福祉、医療、教育など専門的な知識を持つ職員を増員し、発達障害の子供たちをあらゆる分野から支える。市内小中学校に配置されている特別支援教育コーディネーターと連携を深め、センターで受けた相談は学校に連絡した上で協力して問題解決を図る。
 センターの開設に協力し、開所式に出席した信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授の本田秀夫さんは「発達障害児の早期支援をするだけでなく、学校にどうつなげるかということが重要なテーマになっている。ほかの自治体のモデルになる事業になることを願いたい」と話していた。