連載・特集

2024.4.14みずず野

 シンガー・ソングライターの宇多田ヒカルが好きだ。運よくチケットが当たり、ライブに足を運んだのは6年前。日本を代表する一人と言ってもいいだろう歌姫の上質な音楽のステージに酔いしれた◆その折、周辺の客席を見渡すと宇多田と同世代くらいの女性の多さに気付いた。特に想像していなかったのだが、彼女の一番の支持層は、身をもって歌詞に共感を覚える人たちなんだ、と勝手に納得した。歌を聴いて励まされたり、少し大げさだが救われたりした人は、ファンになって離れないのだろう。発表曲が増加するにつれ、その数をじわじわと増やしてきたに違いない◆先ごろの松本市長選挙で再選を果たした臥雲義尚市長は、2期目のキーワードに「共感と納得」を上げた。ただ、誰もが知っているように通り一遍で共感を得るのは難しい。強烈なリーダーシップや単純な迎合だけでは人の心はつかめない。4年間の経験を踏まえた市長の手腕や手法が注目される◆宇多田のライブツアーが6年ぶりに開かれる。残念ながらチケットの抽選に外れてしまった。これからある2回目、3回目のチケット抽選に当たることを祈っている。