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2025年

路線価 松本地域は堅調 下落ゼロ 県平均も2年連続上昇

2025/07/02
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 関東信越国税局は1日、相続税や贈与税の算定基準となる令和7年分の県内の土地の路線価(1平方メートル当たりの価格、1月1日時点)を公表した。松本税務署管内の主な6地点では、上昇が2地点、横ばいが4地点で、下落はなかった。上昇は前年の4地点より2地点減ったが、横ばいに転じた2地点も「緩やかな上昇含みの横ばい」と言える状況で、松本地域の土地需要は全体として堅調だ。
 評価時点が今年1月1日のため、イトーヨーカドー南松本店と松本パルコ、井上百貨店本店の大型商業施設閉店の影響はあまり出ていない。
 松本市深志1の松本駅前「しらかば大通り」と、塩尻市大門七番町ミシャワカ通り塩尻市役所付近が前年の上昇から横ばいに転じた。
 しらかば大通りは松本税務署管内の最高地点(最高路線価)で、前年と同額の20万5000円となった。県不動産鑑定士協会の前会長で、中信地域の評価に携わった茅野不動産鑑定(松本市島立)の茅野武弘不動産鑑定士は「松本駅前は観光客が増え、外国人観光客も多い。横ばいとはいっても、緩やかな上昇含み。大型店の閉店を視野に入れて横ばいになった部分もある」と分析する。
 塩尻市役所付近も、住宅需要が根強くあり、前年と同額の4万9000円だった。茅野さんは「横ばいだが、上振れ傾向」と見る。
 元気がいいのは松本市村井町南1のJR村井駅東側で、前年比2・3%高い4万4000円と、2年連続で前年比2%台の上昇となった。駅舎が新しくなって利便性が高まり、近くの大型ショッピングセンター・イオンタウン松本村井も新しくなった。「変化のある地域で、駅や周辺地域に人が滞留している。松本市は、住宅需要が南部地域に流れている」と分析する。
 松本市中央4のやまびこ道路イオンモール松本東側は前年比2・6%高い7万8000円、同市深志2の井上百貨店北側は横ばいの13万5000円だった。
 調査地点となった県内の標準宅地の平均変動率は0・6%の上昇で、2年連続の上昇となった。

松本税務署管内の最高地点となった松本駅前「しらかば大通り」